やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2025/02/18
経営コンサルタントに支払う報酬と所得税の源泉徴収義務

[相談]

 私は会社で経理を担当しています。
 このたび、当社では、資金繰り改善を目的として、ある経営コンサルタント(個人事業主)と経営コンサルティング契約を締結し、毎月所定のコンサルタント報酬を支払うこととなりました。
 そこでお聞きしたいのですが、上記のコンサルタント報酬の支払いについて、当社に所得税の徴収義務(源泉徴収義務)はあるのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の経営コンサルタント報酬については、その支払いの都度、所得税を源泉徴収し、これを国に納付する義務があります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.報酬・料金等の源泉徴収義務の概要

 所得税法上、居住者(※1)である企業診断員(企業経営の改善及び向上のための指導を行う者を含みます)に対し、国内においてその業務に関する報酬・料金等の支払をする者は、その支払の際、その報酬・料金等について所得税を徴収(源泉徴収)し、原則として、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならないと定められています。

※1 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

2.企業診断員の範囲

 上記1.の企業診断員には、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」により登録された中小企業診断士だけでなく、直接企業の求めに応じ、その企業の状況について調査及び診断を行い、又は企業経営の改善及び向上のための指導を行う者、例えば、経営士、経営コンサルタント、労務管理士等と称するような者も含まれることとされています。

 したがって、今回のご相談の経営コンサルタント(個人事業主)に支払う経営コンサルタントについても、その支払いの都度、所得税を源泉徴収し、これを国に納付する義務があることとなります。

[参考]
所法2、204、所令320、所基通204-15など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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